目の下、瞼の痙攣が
止まらない
疲れを感じた時、眠気がある時などに、目がピクピクと動いた経験をした方は多いのではないでしょうか。
瞼の痙攣は珍しくない現象で、誰にでも起こり得ます。ストレスや疲れを溜めないように心がけることが大切ですが、特に疲れや眠気を自覚していなくても、瞼がピクピクすることもあります。「眼精疲労かな」「睡眠が足りていないのかな」と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は瞼の痙攣は疲れだけでなく、眼科疾患などのサインとして生じている可能性もあります。
ここでは、目がピクピクした時の症状と原因についてまとめていきます。症状の対処法や治療法などもお伝えしますので、瞼の痙攣でお困りの際は、ぜひこのページをご覧ください。
このような症状は
ありませんか?
- 目は通常通り開けられる
- 下瞼または上瞼が痙攣する
- 頻繁に痙攣が起こる
- 痙攣があるけど、数十秒から数分で治まる
- 痙攣していても数週間のうちに治る
- 目の周りもピクピクと痙攣する
- 口や頬も痙攣する
- 目がショボショボする
- 瞬きの回数が増えた
- 室内にいても眩しく感じる
- 自分で目を開けにくくなった
- 視界が狭くなる
- 瞼にシワができた
目の下が痙攣する原因
ストレス
ストレスや睡眠不足により瞼がピクピクと痙攣する状態を「眼瞼ミオキミア」と呼びます。数日~数週間で自然と治まるため、重い病気ではありませんし、目を休めることで症状が改善します。
まぶたの神経の病気
瞼の運動をコントロールする神経の異常興奮により、瞼の痙攣が起こることを「眼瞼痙攣」と呼びます。これにより、きちんと瞬きをすることが難しくなり、ひどい場合には目を開けていられなくなります。治療法としては、ボツリヌス療法や手術治療が挙げられます。
脳の疾患
脳腫瘍などの疾患により、瞼がピクピクと痙攣することがあります。脳疾患の可能性が高いと判断した場合には、速やかに提携先の医療機関への紹介を行います。
目の下が痙攣する病気
眼瞼ミオキミア
眼瞼ミオキミアは、ストレスや睡眠不足、疲れ目などが主な原因とされています。早期に治療して再発を防ぐためには、十分な休養とストレス解消が重要です。また、結膜炎、ドライアイ、逆さまつ毛などが原因となることもあり、その場合は適切な治療が必要です。
眼瞼けいれん
眼瞼けいれんは、目の周りの筋肉が過剰に動く、瞼の神経の病気です。単なる疲れ目として放置すると、目を開けるのが難しくなるほど悪化する恐れがあります。放置しても自然には治らないため、必ず眼科へご相談ください。また、眼瞼けいれんは通常、左右の目どちらにも発生します。
眼精疲労
目のかすみや充血、乾燥などの症状だけでなく、頭痛や肩こり、めまい、瞼の痙攣などの身体症状が長期間続く状態です。「疲れ目」は休息をとれば解消できますが、眼精疲労の場合、目を休ませても改善できないという特徴を持っています。
片側顔面けいれん
顔面の片側の筋肉が意識していなくても痙攣する病気です。原因としては、顔面神経の付け根への圧迫(血管によるもの)やストレスが考えられます。ほとんどの場合、片側の目の周りから痙攣が始まり、その後頬や口元へと広がっていきます。
チック症
チック症は、主に小児~青年期の時期に起こり、無意識に身体の一部を頻繁に動かしてしまう病気です。繰り返しの動作としては、「瞬き」「顔をしかめる」といった動きが挙げられます。ほとんどの場合、成長するにつれて自然と改善され、基本的に治療も不要です。動作はご本人の意思でコントロールできるものではないので、叱ったり厳しく指導したりして治そうとするのは禁物です。
目の下が痙攣する時の
セルフケア
ストレス管理
ストレスが原因の場合は、リラクゼーションや趣味の時間を取ることで症状が緩和されることがあります。
睡眠をとる
睡眠は、身体だけでなく目を休めるためにも重要です。昼間に酷使した目を休ませるためには、十分な睡眠時間を確保することが必要です。
また、寝る前にはパソコンやスマートフォンをなるべく見ないようにしましょう。疲れを感じたら、日中に短時間の昼寝を取って目を休めるのもお勧めできます。
目を休ませる
パソコンやスマートフォンを長時間使用する方は、眼精疲労を防ぐために定期的に目を休めることが重要です。「目が疲れた」と感じたら、その都度休憩を取りましょう。
パソコンで作業する場合は、1時間ごとに15分の休憩を取るなどの工夫をすると良いでしょう。また、瞼の痙攣を抑えるためには、血行を良くすることも重要なので、蒸しタオルで目の周囲を温めることも良いでしょう。
カフェインの摂取を控える
カフェインを大量に摂取すると、神経が興奮して瞼がピクピク痙攣したり、症状が悪化したりします。健康に影響を与えないカフェインの1日あたりの摂取量は約400mgで、コーヒーなら4杯程度に相当します。
また、エナジードリンクに含まれるカフェイン量も極めて多いので、摂取する際には十分に気を付けましょう。瞼の痙攣が気になる方は、カフェイン量に気をつけながら飲み物を摂取することが望ましいです。
まぶたの痙攣の治し方
ドライアイの治療
ドライアイが原因の場合、人工涙液の使用や加湿器の導入で目の乾燥を防ぐことが推奨されます。
栄養補給
マグネシウムや他の必要な栄養素を適切に摂取することで、痙攣の頻度が減少することがあります。
ボトックス注射
片側顔面痙攣や重度の眼瞼けいれんの場合、ボトックス注射によって筋肉の過剰な収縮を抑える治療が行われることがあります。
手術
片側顔面痙攣の原因が神経の圧迫による場合、手術で神経を圧迫している血管を離す手術が検討されることがあります。
よくある質問
目の下がピクピクするのは何不足ですか?
眼瞼ミオキミアの原因の1つに栄養不足が挙げられます。特に、ビタミンB12が不足すると、眼瞼の神経に異常が生じることがあります。
ビタミンB12は、貧血予防やDNA生成の補助に有効とされるビタミンで、血液細胞の健康を守るのに重要とされているものです。ビタミンB12が含まれている食材としては、魚介類、牛レバー、卵、牛乳などが挙げられます。
片目だけピクピク痙攣する時、何科を受診するべきですか?
片目の周囲だけが痙攣している場合、そのほとんどは問題がないものです。まずは、1〜2か月様子を見てください。
しかし、両目に広がった場合は眼瞼けいれんが、額や口の周りに広がった場合は片側顔面けいれんの可能性があるため、脳神経内科、脳神経外科、眼科へご相談ください。
目がピクピクする時は何科を受診すればいいですか?
瞼の痙攣については、基本的に眼科で診察を受けることをお勧めします。これは、瞼の痙攣とドライアイの症状が似ているためです。眼瞼痙攣は注射や手術が必要になる可能性が高い病気で、以下の症状が見られます。
- 瞬きが多い
- 外に出た時、または屋内にいる時に眩しさを感じる
- 目を開けていられない(目を瞑っていたくなる)
- 目が乾く、しょぼしょぼ感がある、痛いなどの症状がある
上記の症状はドライアイでも見られるため、眼瞼痙攣と診断されずにドライアイと誤診されることがあります。ドライアイかどうかは眼球表面をしっかりと診察しないと分からないため、的確な診断を受けるには眼科に行くことが重要です。
更年期に入ってまぶたが痙攣する原因はなんですか?
ホルモンバランスの変化が大きな要因です。更年期には、特にエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が減少します。エストロゲンは、自律神経系を安定させる役割を持っています。
更年期にエストロゲンが減少すると、自律神経が乱れやすくなり、神経系が過敏になってしまいます。これにより、瞼の筋肉が不随意に収縮し、痙攣が引き起こされることがあります。また更年期は、ホルモンバランスの変化によって精神的なストレスが増加しやすい時期でもあります。
ストレスが蓄積されると、筋肉の緊張や疲労が高まり、瞼の痙攣を引き起こす可能性が高くなります。