- 上まぶたが垂れ下がる眼瞼下垂
- 眼瞼下垂の症状チェック
- 眼瞼下垂の原因
- 保険適用の眼瞼下垂手術
- 当院の日帰り眼瞼下垂手術の特徴
- 眼瞼下垂手術のメリット・デメリット
- 眼瞼下垂手術の方法
- 眼瞼下垂手術の流れ
- 眼瞼下垂手術の注意点・ダウンタイム
上まぶたが垂れ下がる
眼瞼下垂
眼瞼下垂は、上瞼が下がって視界が狭くなり、見えにくくなる状態です。上瞼を上げるには上眼瞼挙筋とミュラー筋の収縮が関係しており、これらの筋肉またはこの二つを支配する神経の機能が衰えることで発症します。視界が狭くなるのに加えて、眠そうな外見、肩こり、頭痛、疲れなどの症状も起こります。原因は先天性と後天性に分かれます。
先天性
先天性の眼瞼下垂は、瞼を引き上げる筋肉である眼瞼挙筋の発育異常によるものです。
片側性と両側性があり、片側性が多く見られます。下垂のある目では下方でしか物が見えないため、顎を上げたり眉毛を上げたりして視界を確保しようとします。
主な治療は手術で、生後6ヶ月を過ぎればいつでも可能です。ただし、眼瞼下垂の程度が強い場合は視力の発達に悪影響を及ぼすため、視機能の評価や合併症の有無を確認し、眼科で手術の必要性や時期を見極めてもらうことが大切です。
後天性
後天性の眼瞼下垂は、腱膜性(腱膜の異常)、筋原性(筋肉の異常)、神経原性(神経の異常)に分けられます。ほとんどが腱膜性で、加齢による上眼瞼挙筋の腱の伸展や、コンタクトレンズの長期使用が主な原因とされています。外傷や神経麻痺(脳動脈瘤や糖尿病による動眼神経麻痺、肺癌によるホルネル症候群)、重症筋無力症などによって起こった場合は、他の症状を伴うという特徴をしています。
また、眼瞼皮膚弛緩症や甲状腺眼症など、眼瞼下垂によく似た症状が見られる病気もあります。主な治療は手術で、加齢性やコンタクトレンズ使用による眼瞼下垂、ホルネル症候群などの場合は回復に期待できます。ただしそれ以外の場合は、手術方法やその効果にどうしても限りがあります。
偽眼瞼下垂
瞼を上げる筋肉や腱に異常がないのにもかかわらず、眼瞼下垂のように見える状態です。
眼瞼下垂の症状チェック
- 瞼が重く感じる
- 瞼がたるんでいる
- 目が開けにくい
- 視野が狭くなった
- 左右で目の大きさが違う
- 上方の物が見えづらい
- 運転している時、信号が見えにくい
- 周りの方から「眠そうな顔をしている」と指摘された
- ハードコンタクトレンズを10年以上使っている
- 眉毛や顎を上げて物を見るようになる
- 額のシワが多くなった
- 原因が分からない頭痛や肩こりがある
- 二重の幅が狭くなった
- 二重が三重、四重になった
これらの症状がある場合、眼瞼下垂の可能性があります。気になる方は当院へご相談ください。
眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂の原因は加齢だけでなく、先天性、ハードコンタクトレンズの長期使用、重症筋無力症などの神経筋疾患、脳動脈瘤やくも膜下出血などの頭蓋内病変、眼瞼や眼の周囲の腫瘍や炎症などがあります。
正常な上瞼の縁は黒目(角膜)より2mm下にありますが、これより下がると軽度の眼瞼下垂、瞳孔にかかると中等度、瞳孔の中央より下がると重度です。中等度以上になると視野が暗くなり、手術が必要になる可能性があります。
保険適用の眼瞼下垂手術
眼瞼下垂の治療は、神経疾患が原因でない場合、手術が第一選択となります。手術方法は複数あり、発症原因や症状、全身の健康状態を考慮して決定します。
手術は片目で15分~20分程度、両目同時でも40分程度で終わりますし、日帰りで受けられます。当院では経験豊富な京都大学の眼瞼専門医が手術を担当しており、自然な仕上がりを目指しています。
また、出血を最小限に抑え、患者様の負担を軽減しています。手術はほとんどの方が両眼同時に受けられていますが、片眼のみをご希望の方はご相談ください。
当院の日帰り
眼瞼下垂手術の特徴
眼瞼を専門とした
経験豊富な医師が
執刀します
瞼は顔の印象を決める重要なパーツです。当院では、熟練の形成外科医が見え方の改善だけでなく、仕上がりの見た目にも配慮した眼瞼下垂手術を行います。
手術前にはデザインを施し、患者様と仕上がりについてよく相談しますのでご安心ください。
痛くない・怖くない
手術に努めます
当院では、眼瞼下垂手術時に、抗不安薬の内服も可能で、必要に応じて笑気麻酔も使用しております。また、木目調の優しい手術室で行います。術後はリカバリー室でゆっくり休息をとっていただきます。
手術では点眼麻酔と瞼への注射麻酔を行いますが、注射麻酔の際には痛みが出ることがあります。当院では、極細の針を用いるだけでなく、安心していただけるようお声がけをすることで痛みを最小限に抑えるよう努めています。
できるだけ低侵襲で
ダウンタイムの短縮に
努めます
瞼は腫れやすい部位であるため、手術後の腫れを心配される患者様もいらっしゃるかと思います。手術後の腫れは避けられない生理的な現象ですが、当院では手術の傷を最小限に抑え、腫れを少なくして日常生活への影響を最小限に抑えていきます。
眼瞼下垂手術の
メリット・デメリット
メリット
経済的負担の軽減
保険適用により、自己負担額が3割程度となり、経済的な負担が大幅に軽減されます。
機能の回復
手術は主に視野の改善や目の疲れの軽減など、機能的な改善を目的として行われます。そのため、日常生活の質が向上します。
信頼の手術方法
保険適用されている手術は、医学的に確立された方法が使用されており、安全性が高いとされています。
デメリット
審美的改善が限定的
保険適用の場合、手術の目的は主に機能回復にあるため、審美的な改善は二次的なものとされます。そのため、見た目の変化が希望通りにならない可能性があります。
手術待ち時間
保険適用の手術は需要が高いため、手術の予約や待機時間が長くなる場合があります。
制約のある術式
保険適用される術式には一定の制約があり、患者の個別の状況に応じたオプションが限られる場合があります。審美的な要素や患者様の希望に基づく調整が難しいことがあります。
眼瞼下垂手術の方法
皮膚・眼輪筋切除
加齢などで皮膚が弛み、眼瞼下垂を引き起こしている場合に行われる方法です。余分な皮膚を切除することで、たるみを改善させます。
ミュラー筋タッキング
上瞼の内側には、瞼を上げるための上眼瞼挙筋という筋肉があり、その先端には挙筋腱膜という硬い膜があります。また、瞼の裏側にはミュラー筋という柔らかい筋肉があります。
この手術法では、硬い挙筋腱膜からミュラー筋を外し、柔らかいミュラー筋のみをたぐり寄せ、弛んだ瞼を締めていきます。柔らかい筋肉のみをたぐり寄せるため、術後の目が自然な形に仕上がりやすいという利点があります。
また症状に応じて、皮膚・眼輪筋切除とミュラー筋タッキングの両方を組み合わせて手術を実施することもあります。
眼瞼下垂手術の流れ
1診察
瞼が下がって開きにくい、上方や外側の視界が狭く感じるなどの症状がある場合、眼瞼下垂が疑われます。その場合は放置せず、当院へご相談ください。専門医が目や瞼等の状態をチェックし、患者様に合った治療方法を行います。
2手術日の決定
医師やスタッフと相談の上で手術が決まり次第、手術日の予約手続きを行っていただきます。通常、手術日は1~2か月先の予約となります。
3術前の検査
血液検査を行い、B型肝炎、C型肝炎、梅毒などに感染していないかチェックします。
※これらに感染していても手術は受けていただけますが、手術後の器械の洗浄・滅菌方法を変更する必要があるため、ご協力をお願いしています。
4手術当日
予約の日時に少し余裕をもってお越しください。服装は普段通りで構いません。毎日服用している薬は何時も同じようにお飲みください。当日はお化粧をせずにお越しください。
手術後はガーゼをあてた状態ででのご帰宅となるため、ご自身で運転しての移動は禁じています。ご来院時には健康保険証、診察券、事前にお渡ししている同意書をご提出ください。
また術後には眼帯を装着するため、気になる方はサングラスをお持ちください。
5麻酔
手術は局所麻酔で行います。当院では非常に細い注射針を用いることで、麻酔時の痛みを最小限に抑えます。
6手術
血圧を測定し、問題がないと確認できましたら手術を開始します。
- 瞼にデザインを施します。
- 目の周りを消毒し、注射麻酔を行います。
- 手術を開始します。
手術方法は症状に合わせて選びますが、片目で約20分、両目で約40分かかります。
7手術終了
手術した部位を軽くアイシングしながら、10~15分ほど休んでいただきます。異常がないと確認でき次第、その後ご帰宅いただけます。
8手術翌日
翌日に再来院いただき、診察を行い、異常がないかチェックします。
眼瞼下垂手術の注意点・
ダウンタイム
注意点
- 感染予防のために手術後に処方する軟膏は必ず使用してください。
- 手術翌日には必ず再来院していただきます。
- 手術後に眼帯を装着する場合がありますが、翌朝の診察まで外さずにお過ごしください。
- 洗顔・洗髪・入浴は、当日はお控えください。
- 手術後は痛みを感じることはほとんどありませんが、もし痛みがある場合は痛み止めを服用してください。
- 手術から1週間~10日後に抜糸を行います。
- 手術後に異常を感じた場合は、すぐに当院にご相談ください。
ダウンタイムについて
腫れは翌日に最も強くなり、その後1週間ほどかけて少しずつ和らいでいきます。内出血がある場合も、約2週間で消えます。
傷痕は1カ月ほどで目立たなくなり、半年後にはほとんど見えなくなります。