- 片目だけ目の奥が痛い
- このような症状はありませんか?
- すぐに受診すべき目の痛みの随伴症状
- ストレスやスマホも?目が痛む原因
- 片目の奥が痛む時に考えられる疾患
- 目の奥の痛みを治すには?
- 片目だけ目の奥が痛い時は何科?
片目だけ目の奥が痛い
目は私たちの日常生活を支える視覚を司る器官であり、その構造は非常に繊細です。小さな異常や刺激でも大きな影響を受けやすく、感染症、アレルギー、疲労など、様々な原因で症状が現れます。特に「目の奥が痛い」と感じる場合は、単なる疲れや軽い炎症と見過ごされがちですが、実際には重大な病気の兆候であることがあります。
例えば、急性緑内障発作は急激な眼圧の上昇によって目の奥に激しい痛みを引き起こします。早急な治療が必要な緊急疾患で、放置すると視力の急激な低下や失明に至る危険性があります。その他にも、視神経炎や副鼻腔炎、群発頭痛など、目の奥に痛みを感じる症状は多岐にわたり、適切な診断と早期の治療が視力の保護にとって重要です。
このような症状は
ありませんか?
- 目の奥に疲労感や痛みを感じる
- 片目の奥に鈍い痛みを伴う片頭痛が現れる
- 目を動かした際に、目の奥に痛みが生じる
すぐに受診すべき
目の痛みの随伴症状
これらの危険な随伴症状が現れた場合、速やかに眼科や神経科の専門医を受診することが重要です。適切な診断と治療が必要です。
視力の急激な低下
突然視力が低下する場合、視神経や網膜に深刻な問題がある可能性があります。
視野の欠損や視覚障害
視野が狭くなったり、視覚がゆがんで見えるなどの異常がある場合、早急な治療が必要です。
強い頭痛や吐き気
目の奥の痛みとともに、強い頭痛や吐き気がある場合、急性緑内障や脳の異常が疑われます。
目の充血や異常な涙の分泌
目が赤く充血し、異常な涙が出る場合、感染症や緑内障が原因の可能性があります。
光に対する強い過敏症
光を見ると強い痛みや不快感を感じる場合、炎症や眼内の異常が疑われます。
まぶたや顔の片側が腫れる
片側の顔やまぶたが腫れている場合、感染症や腫瘍が原因となっている可能性があります。
発熱を伴う場合
発熱があり、目の奥に痛みがある場合、感染症の可能性があります。
目を動かすと痛みが
悪化する
目を動かすと痛みが悪化する場合、視神経や筋肉に問題がある可能性があります。
ストレスやスマホも?
目が痛む原因
ストレス
ストレスで自律神経のバランスが崩れると、筋肉がこわばり、痛みが起こることがあります。また、漢方医学では、「目の痛み」と「イライラ」は「肝」と深く関係しているとされ、ストレスによるイライラが「肝」の機能を低下させ、「目の痛み」を引き起こすとされています。
スマホやパソコンの
使いすぎ
スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器を同じ姿勢を保った状態で、かつ長時間見続けると、目の奥に痛みを感じやすくなります。
女性ホルモンの乱れ
月経前のエストロゲン分泌量の変化により、頭痛などの症状が現れ、これを目の奥の痛みとして感じることがあります。また、更年期に入るとエストロゲン分泌量の低下により涙の分泌が減少し、ドライアイや目の不快感、痛みなどの症状が起こりやすくなります。
片目の奥が痛む時に
考えられる疾患
眼精疲労
長時間のパソコンやスマートフォン使用によって目の筋肉が酷使され、片目の奥に痛みを感じることがあります。特に片側を多く使う習慣がある場合、筋肉が偏って疲労し、片目に痛みが集中します。十分な休息や適切な眼鏡の使用が予防に役立ちます。
緑内障
急性緑内障では、眼圧が急激に上昇し、視神経が圧迫されて片目の奥に激しい痛みを感じます。視力低下や吐き気、目の充血を伴うことが多く、早急な治療が必要です。放置すると視力を失う危険性があります。
視神経炎
視神経炎は、視神経が自己免疫疾患や感染症によって炎症を起こし、片目の奥に鋭い痛みと急激な視力低下を引き起こします。視力が回復するまでに時間がかかることがあり、重症化すると視力が失われる可能性もあります。
眼球運動障害
目を動かす筋肉や神経が損傷することで、目の奥に痛みが生じます。特に目を動かす際に痛みが増す場合、筋肉の過緊張や神経障害が原因です。原因によっては、複視や眼球の動きが制限されることもあります。
眼窩蜂窩織炎
眼窩蜂窩織炎は、眼窩内の組織が細菌感染により炎症を起こし、片目の奥に激しい痛みや腫れ、発熱を伴う危険な状態です。視力低下や眼球の動きが制限されることがあり、緊急治療が必要です。治療が遅れると視力を失う危険性があります。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔が感染やアレルギーで炎症を起こし、片目の奥に圧迫感や痛みを引き起こします。特に副鼻腔内に膿が溜まると、周囲の神経や組織が圧迫されるため、痛みが強くなります。鼻づまりや顔面痛を伴うことが多いです。
片頭痛
片頭痛は、脳の血管の異常な収縮と拡張が原因で、片側の頭部や目の奥にズキズキする痛みを引き起こします。光や音に対する過敏症状が伴い、場合によっては吐き気や視覚障害(閃輝暗点)も現れることがあります。
慢性頭痛
(例: 緊張型頭痛)
慢性頭痛、特に緊張型頭痛では、頭部全体に圧迫感を伴い、片目の奥にも痛みが放散することがあります。ストレスや姿勢の悪さが原因となることが多く、慢性的に続く場合は生活習慣の見直しや専門的な治療が必要です。
目の奥の痛みを治すには?
目薬
パソコン作業などで目を酷使した際の痛みには、ピント調節機能を改善する成分が含まれた目薬を試してみると良いでしょう。ドライアイの場合は、目の乾燥を防ぎながら潤いを与える目薬によって、目の奥の痛みが良くなることがあります。市販の目薬をさしても症状が良くならなかった場合は、当院へご相談ください。
マッサージ
緊張型頭痛によって目の奥が痛む場合は、肩や首の周りを何回もマッサージして血行を良くすると、筋肉の緊張がほぐれて症状が和らぐ可能性があります。
一方、片頭痛の場合は、肩や首の周りをあまり触らないことが推奨されます。その場合は、ツボ(天柱、内関など)を押したり、蒸しタオルで温めたりすると、症状が緩和することがあります。
眼球やその周囲のマッサージは、網膜裂孔や剥離を引き起こす可能性があるため避けましょう。目の奥の痛みが続く場合や、頭痛や吐き気を伴う場合は、群発性頭痛や急性緑内障発作の可能性があります。急性緑内障発作や視神経炎は、放置すると1日~数日以内に失明する恐れがあるため、視力低下などの異常を少しでも感じた場合は、安易にご自身で判断せず、当院へご相談ください。
片目だけ目の奥が痛い時は
何科?
目の周りに痛みを感じた場合は、眼科を受診してください。特に、目をぶつけたりボールが当たったりして痛みが生じた場合は、早急に受診してください。その場合は、角膜や網膜に異常が生じている恐れがあるため、放置は禁物です。
また、目の痛みだけでなく頭痛や吐き気がある場合や、目を開けられないほどの激しい痛みがある場合も、すぐに眼科を受診してください。症状が続く場合も、早めに医療機関に相談することをお勧めします。