- 物が歪んで見える
- 物が歪んで見える原因と病気
- ストレスで物が歪んで見える?
- 物が二重に見える
- 両眼で見ると物が二重に見える
原因と病気 - 片目で見ても物が二重に見える
原因と病気 - 急に物が二重に見えたら要注意
物が歪んで見える
物が歪んで見える場合、黄斑部に異常がある可能性があります。まっすぐな線が曲がって見えたり、左右の目で大きさが異なって見えたり、視界に見えない部分があったり、一部が暗く見えたりすることもあります。乱視による屈折異常でも起こりますが、加齢黄斑変性や網膜剥離、眼底出血など深刻な疾患が原因の場合もあります。
片目だけに症状が現れると、もう片方の目で無意識にカバーしてしまい、発見が遅れることがあります。見え方に違和感がある場合は、放置せずに当院へご相談ください。
物が歪んで見える原因と病気
網膜剥離
網膜剥離は、加齢や外傷によって網膜が剥がれる状態です。加齢による場合、網膜に孔ができ、水分が入り込んで剥離を引き起こします。事故や打撲などの強い衝撃でも網膜が破れて剥離することがあります。
網膜が剥がれると、その部分の視野が欠け、視力が大幅に低下し、最悪の場合失明に至ることもあります。飛蚊症や光がちらつく、急激な視力低下、視野の一部が欠けるなどの症状が現れます。視力を保つためには、早急に眼科を受診することが重要です。
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性は、網膜の中心にある黄斑が障害を受け、注視した物が見えにくくなる病気です。加齢に伴い発症頻度が高まり、欧米では成人の中途失明原因の第1位、日本でも失明原因の第4位となっています。
症状としては、物が歪んで見える、視界の中心が暗く見える、急激な視力低下などがあります。動脈硬化などの循環障害により網膜に酸素や栄養が不足し、脈絡膜に新生血管が形成され、そこから血液や血液成分が漏れてむくみや出血を引き起こします。
中心性漿液性網脈絡膜症
中心性漿液性網脈絡膜症は、黄斑の裏側に水が溜まり、視界の中心が暗く感じたり、物が歪んで見えたり、小さく見えたりする症状を引き起こす病気です。痛みは伴いません。特に40代の男性に多く見られ、自然に治ることもありますが、日常生活に支障がある場合や症状が続く場合は、医師の診察と適切な治療が必要です。
眼底出血
眼底出血は、網膜の毛細血管が詰まったり破れたりして出血する状態です。糖尿病や高血圧、腎臓病、動脈硬化などが原因で網膜の血管がダメージを受け、循環障害を引き起こします。また、事故や打撲などの強い衝撃でも発症し得ます。
症状としては、物が歪んで見える、視界がかすむ、虫みたいな浮遊物が見える、視野が欠けるなどが挙げられます。
出血量が少なくても視力に深刻な影響を与えることがあるため、早急な治療が必要です。
網膜静脈閉塞症
網膜静脈閉塞症は、網膜の静脈が詰まる疾患です。主な原因は静脈硬化で、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が影響します。静脈の根元が詰まると視界全体が暗くなり、急激な視力低下を引き起こします。枝分かれした先で詰まると、視界の一部が欠けたり、かすんだりします。
網膜中心静脈閉塞症は深刻な症状を引き起こすことがありますが、網膜静脈分岐閉塞症の場合、症状は比較的軽いです。網膜剥離などの深刻な疾患を防ぐためにも、早期発見と治療が重要です。
視神経炎
視神経炎は、感染症、糖尿病、腫瘍、多発性硬化症などが原因で視神経に炎症が生じる状態です。視神経は網膜から脳へ視覚情報を伝える働きをしており、炎症が起こると急激な視力低下や視界の中心が暗くなる症状が現れます。また、目を動かすと痛みを感じることもあります。
乱視
乱視は、角膜の表面が歪んだり波打ったりすることで、光が不規則に屈折し、ピントが合わなくなる状態です。これにより、遠くの者がはっきり見えなかったり、二重に見えたり、ゆがんだりします。特に強い乱視の場合、視覚が大きく影響を受けます。幼い子どもでは、乱視が弱視の原因となり、視力が十分に発達しないことがありますので、早期の注意と対応が必要です。
ストレスで
物が歪んで見える?
物が歪んで見える場合、黄斑に異常がある可能性があります。その場合、緑内障や加齢黄斑変性、網膜剥離、眼底出血などが原因です。またストレスが原因で発症する中心性漿液性脈絡網膜症も、視野が歪む症状を引き起こします。
中心性漿液性脈絡網膜症は、黄斑の裏に水が溜まり、視力低下や視野の中心が暗くなる、物が歪んで見えるなどの症状が現れる病気です。通常は片目に発症し、30〜40代の男性に多く見られます。過度のストレスや過労がリスクを高めます。
物が二重に見える
物が二重に見える原因としては、目の疲れや乱視、目や脳の病気などが挙げられます。
また、物が二重に見える症状は、片目で起こる単眼複視と両目で起こる両眼複視に分けられます。単眼複視は近視、遠視、乱視、白内障などが原因で、両眼複視は脳神経麻痺や目の筋肉の麻痺が原因です。急に両眼複視が起こり、頭痛やめまいを伴う場合は、迷わずに医療機関へ受診してください。緊急でない場合も、二重に見える症状があるときは眼科を受診することをお勧めします。
複視は日常生活に支障をきたし、運転中の危険性も高まります。
また複視かどうかは、片目を隠すことで確認できます。片目で見た時に見え方が改善される場合は複視です。どちらの場合も、目に異常がある可能性があるため、早めに医療機関に相談してください。
両眼で見ると
物が二重に見える原因と病気
斜視
斜視とは、片方の目が見たい方向と異なる方向を向く状態を指します。斜視には、内斜視、外斜視、上下斜視、回旋斜視などの種類があります。先天性斜視や幼児期の斜視では、二重に見えることに気づかないことが多いですが、大人の場合、脳の異常や外傷が原因で突然斜視が発生すると、複視が現れることがあります。
早急な治療が必要になる可能性もあるため、放置せずに眼科で検査を受けることが重要です。
脳神経疾患
脳卒中や動脈瘤、脳腫瘍、多発性硬化症、外傷などにより、物が二重に見えることがあります。診断には脳神経科でのCTやMRI検査が必要です。また、糖尿病の方では末梢神経障害が原因で複視が生じることがあり、この場合はビタミン剤の服用で自然と良くなるケースが多いです。
甲状腺眼症
甲状腺眼症は、甲状腺に関連する自己抗体が目の周囲の筋肉や脂肪を攻撃し、炎症を引き起こす病気です。この病気になると、目が大きく見えたり、飛び出したり、瞼が腫れたり、物が二重に見えることがあります。
甲状腺眼症は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)でも発症する可能性があります。眼科で目の異常を診たのをきっかけに、初めて甲状腺の異常が見つかることもあります。また、喫煙は症状を悪化させるため、禁煙が推奨されます。
片目で見ても
物が二重に見える原因と病気
屈折異常
(近視・遠視・乱視)
目に入ってきた光は角膜と水晶体で屈折し、網膜に像を結びます。これにより、物がはっきり見えるようになります。しかし、屈折に異常があると近視、遠視、乱視が生じ、物が二重や三重に見えることがあります。治療には眼鏡やコンタクトレンズ、レーシック、ICL手術などがあります。
老眼
老眼は、加齢により水晶体が硬くなり、ピント調節機能が低下する症状です。40代から自覚する方が増え、特にスマートフォンやパソコンの使用で目に負担がかかりやすくなります。その結果、眼精疲労から頭痛や肩こりが慢性化することもあります。老眼を感じたら、早めに眼科を受診し、適切な矯正方法を選びましょう。
眼精疲労
目を使い過ぎた結果、目が疲れて休んでも回復しにくくなり、目の周りの筋肉が緊張し続けてしまう状態です。ピントが合いにくくなったり、目が疲れたり、眩しく感じたり、物がかすんだり、二重に見えたりすることがあります。調節機能が一時的に低下し、倦怠感や頭痛、肩こりなどの体の不調を引き起こすこともあります。
原因を特定し、それを取り除きながら生活することが重要です。老眼や長時間のデスクワーク、パソコンやスマートフォンの長時間使用などが原因の場合は、ビタミン配合の点眼薬が処方されることもあります。
白内障
白内障は、加齢により眼球内の水晶体が白く濁る病気です。40代から発症し始め、80代ではほとんどの方が発症しています。近年では若年層にも増加傾向があります。症状としては、視力低下、眩しさ、視界の白濁、物が二重に見えるなどが挙げられます。
症状が進行すると生活に支障をきたすため、手術が必要になることがあります。手術は日帰りで行われ、痛みもほとんどありません。日本では年間約150万件も白内障手術が行われています。症状が気になる場合は早めに眼科を受診しましょう。
斜視
片方の目が見たいものを見ているのに、もう片方の目が異なる方向を向く状です。斜視には内斜視、外斜視、上下斜視があり、物が二重に見える斜視は、目を動かす筋肉の異常や怪我、他の病気による麻痺性斜視が原因です。
麻痺性斜視には重篤な疾患が隠れていることもあるため、早急に眼科を受診することが重要です。
急に物が二重に見えたら
要注意
疲労や加齢により目を寄せる力が弱くなることもありますが、急に物が二重に見えたり、頭痛やめまいを伴ったりした場合は、脳神経障害や脳卒中による両眼複視が疑われます。
その場合はすぐに医療機関を受診してください。
緊急でない場合も、二重に見える症状がある時は眼科を受診することをお勧めします。