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角膜の病気

角膜の役割

角膜の役割角膜は目の最前面に位置し、透明なドーム状の組織で、目に入る光を屈折させ、網膜に焦点を合わせる重要な役割を果たします。角膜は視力に大きく関与しており、その透明度と形状が正確であることが、クリアで鮮明な視覚体験をもたらします。また、外部からの異物や微生物の侵入を防ぐバリア機能も持っています。角膜は涙液や眼房水によって潤いが保たれ、その健康状態が視力に直接影響を及ぼすため、非常にデリケートな組織です。

角膜の病気一覧

コンタクトレンズによる
角膜障害

コンタクトレンズによる角膜障害は、レンズの不適切な使用や長時間の装用が主な原因です。これにより、角膜に酸素が不足し、角膜の健康が損なわれます。また、レンズが汚染されている場合や、適切な手入れが行われていない場合にも感染リスクが高まります。

症状

目の充血
目の痛み
視力の低下

治療

レンズの使用を中止し、医師の指示に従い角膜を保護する治療が行われます。重症の場合、薬物療法や一時的な眼帯装用が必要です。

紫外線による角膜障害

紫外線による角膜障害は、長時間の紫外線曝露が原因で、角膜が損傷を受けることで発生します。特に太陽光の反射が強い環境で、目を保護せずにいるとリスクが高まります。

症状

目の痛み
光に対する過敏症
涙目

治療

紫外線から目を守るためにサングラスを使用し、炎症がひどい場合はステロイド剤の使用が検討されます。

角膜混濁

角膜混濁は、角膜の透明度が低下し視力に影響を与える状態です。感染症、外傷、遺伝的要因、または炎症性疾患が原因となることがあります。これにより、角膜が曇り、光が網膜にうまく到達しなくなります。

症状

視力の低下
光がまぶしく感じる

治療

症状や原因に応じて、点眼薬や手術が必要です。重度の場合は角膜移植が行われます。

水泡性角膜症

水泡性角膜症は、角膜の内皮細胞が機能を失い、角膜内に水泡が形成される疾患です。これにより、角膜が水分を適切に排出できなくなり、角膜の腫れと視力低下を引き起こします。主に眼圧が高い場合や、角膜内皮細胞が加齢や外傷によって損傷することが原因です。

症状

視界がぼやける
目の違和感

治療

眼圧を下げる治療や角膜移植が考慮されます。

アメーバ角膜炎

アメーバ角膜炎は、アカントアメーバという微生物による角膜の感染症です。特に、不適切なコンタクトレンズの使用や、汚染された水に接触することで感染リスクが高まります。アメーバは角膜に浸透し、激しい炎症と損傷を引き起こします。

症状

激しい目の痛み
視力の急激な低下

治療

抗アメーバ薬を使用し、重症の場合は手術が必要となることがあります。

角膜ヘルペス

角膜ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる角膜の感染症です。通常、初感染後に潜伏していたウイルスが再活性化することで再発します。ストレスや免疫力の低下が誘因となり、再発のリスクが高まります。

症状

目の痛み
充血
視力低下

治療

抗ウイルス薬の投与が主な治療法で、場合によっては手術も検討されます。

点状表層角膜症

点状表層角膜症は、角膜の表面に小さな点状の病変が見られる状態です。ドライアイや外的刺激、アレルギーが原因となることが多く、角膜上皮に微小な損傷を引き起こします。

症状

目の異物感
涙目
目の軽い痛み

治療

潤いを保つための人工涙液の点眼や、症状がひどい場合は保湿眼鏡の使用が推奨されます。

角膜びらん

角膜びらんは、角膜の表層が傷つき、痛みや異物感を引き起こす状態です。外傷やコンタクトレンズの不適切な使用、乾燥による角膜の損傷が主な原因です。

症状

強い目の痛み

視力低下

治療

角膜の治癒を促すための点眼薬や、保護用のコンタクトレンズが使用されることがあります。

翼状片

翼状片は、角膜の内側に結膜が伸びてくる良性の病変で、視力に影響を与えることがあります。主に紫外線や乾燥、ほこりなどの環境要因が原因とされています。

症状

視力低下
目の異物感
充血

治療

軽度の場合は経過観察を行い、進行する場合は手術が必要です。

角膜潰瘍

角膜潰瘍は、角膜に潰瘍ができることで視力を著しく低下させる疾患です。細菌、ウイルス、真菌などの感染症や、外傷が主な原因です。角膜の防御機能が破壊されると、組織が深刻に損傷されます。

症状

激しい目の痛み
視力低下
目の赤み

治療

抗生物質の点眼や、場合によっては角膜移植が行われることがあります。

円錐角膜

円錐角膜は、角膜が徐々に薄くなり、円錐状に突出する進行性の疾患です。遺伝的要因が強く、また、眼を強くこする習慣がある人にも発症しやすいとされています。角膜が変形することで、視力が著しく障害されます。

症状

視力の急激な低下
乱視が進行する

治療

早期にはハードコンタクトレンズで矯正が可能ですが、進行すると角膜移植が必要になることがあります。

角膜の病気で
失明する可能性

角膜の病気は視力に深刻な影響を与えることがあり、特に適切な治療が行われない場合、失明のリスクがあります。例えば、アメーバ角膜炎や角膜潰瘍は進行が早く、視力を急速に低下させます。これらの病気は、早期発見と適切な治療が重要であり、症状を放置すると視覚障害や最悪の場合には失明に至る可能性があります。

角膜の病気の治療・手術

角膜の病気の治療・手術角膜の病気の治療は、疾患の種類や進行度に応じて異なります。軽度の病気であれば、点眼薬やコンタクトレンズによる矯正が有効です。しかし、進行した場合には、角膜移植や角膜クロスリンクなどの手術が必要になることがあります。角膜移植は、損傷した角膜を健康なドナー角膜と交換する手術であり、多くの患者に視力を回復させる効果的な方法です。角膜クロスリンクは、円錐角膜の進行を抑えるために行われる手術で、角膜を強化し形状を安定させます。どの治療法が最適かは、個々の患者の状態に応じて判断されます。